All rights reserved JA3OOK 中村 利和 遠方にある当局の無線局を遠隔操作をできるようになったのでその方法を説明します。ここでは 技術的システム的な内容をまとめました。 遠隔運用の2年間の実績と評価は別途記述してあります。 Ver.4.2 '22/12/19 自作 リモートエンコーダー:手元でVFO操作 ・リモートで運用しながら「手元のエンコーダーでVFO操作」を実現。 Ver.4.0 '18/09/10 次の大きな変更を行いました。 ・WSJT-XやJT65などのデジタル通信ソフトの動作を送信所PCに変更 (従来は操作所PCで動作させていた) 目的はデジタル通信のデコード改善。 それに伴い、リモートデスクトップが必須となり、 Brynhildr(ブリュンヒルデ)を使用(予備にTeamViewer)、 Skypeは使用中止 ・リグ間自動同期遠隔操作ソフト RCC-590 を自作 (KENNWOOD製 ARCP-590G/ARHP-590G、ARVP-10R/ARVP-10H は引き続き使用) ・改版を重ねてきて読みにくい構成になっていたので再構成し内容も最新に修正しました。 Ver.1.0 '14/07/14 目次 1.遠隔で操作できること 2.実用性評価と運用結果 3.遠隔操作系統図(ブロックダイアグラム) 4.主要コンポーネントの説明 a KENWOOD製遠隔操作ソフト ARHP-590G ARCP-590G b 自作 リグ間自動同期遠隔操作ソフト RCC-590 c 自作 リモートエンコーダー:手元でVFO操作 d IPリモコン 新PIC-NIC e 電源系統とアンテナ回転制御回路 f PC電源ON/OFFの操作ミス対策とPCの遠隔強制再立上げ g ABS(ANT&PW1自動バンド切替機) h アンテナケーブル切換リレーボックス i IC-PW1 スイッチ遠隔操作 j FL-7000の遠隔操作 k 遠隔操作でのパドルによるCW送信 l 操作所PCマイク切替SW (旧項目名 RTTY等運用のためのPCインターフェース付加装置) m オーディオ伝送ソフト n PCの選択と設定 o VSPE CAT用COMポートの共用 p 送信所のルーターに関連すること q 無線機の設定など 5.今後の課題遠隔操作に取り組んだ動機
所属するクラブ局のOMさん達がクラブ局の遠隔操作システムを構築したこと。 私にもできるように思えてきて取り組みました。遠隔操作システムの設計製作には クラブのメンバーはもちろん、Webからも沢山の方々の資料や意見を参考にさせていただいてい ます。感謝します。説明上、必要に応じて次の言葉を使用します。
「無線設備送信所(または略して、送信所)」 トランシーバーやアンテナなどの無線設備がある場所。 ここにはインターネットが来ていて、ルーターや遠隔操作に必要なPCもある。 「遠隔操作所(または略して、操作所)」 送信所から離れていて、送信所の無線設備を遠隔操作する場所。 ここにもインターネットが来ていて、ルーターやPCもある。1.遠隔で操作できること
a PC電源の入り切り
・独自のIPアドレスを持ち、遠方から複数のスイッチをON/OFFできる機器が市 販されている。これをIPリモコンと呼ぶこととする。 (商品名 「新PIC-NIC」、その前は「IP Power 9212Delux」) これを送信所のルーターにLANで接続。 ・PCの内部を開け電源SWにつながる線を引っ張り出し、IPリモコンのリレー制御 端子と接続。(これはJF3MOKさんのアイデアによる) ・この方法により遠方からPC電源のON/OFF、即ちOSの立ち上げとシャットダ ウンができる。 ・無線運用中にPCが万一フリーズしてもPCの再立ち上げが可能(2016/11から)b PC電源の監視
・IPリモコンには状態のセンス機能がある。PCのUSBの5VをIPリモコンの入 力端子に接続することにより操作所のPC画面へ電源状態を表示する。c AC電源の入り切り ・PCの電源が入るとUSB端子に5Vが出てくる。これをリレーにつなぎAC電源を 入り切りさせている。(各リグへ電源供給する前のAC100V、AC200Vの入り切り)
d 送信所トランシーバー(TS-590SG)の電源ON/OFF ・ARHP-590G/ARCP-590G(KENWOOD製)の標準機能、およびRCC-590(自作ソフト) 。
e 送信所トランシーバーの遠隔操作 ・KENWOOD ARCP-590Gを普段は使用。 ただし、FT8のように周波数が決まっている運用の場合は使わないことが多い。 (JTDXで周波数変更、パワードライブ調整ができる) ・手回しのVFOダイアルを実現:リモートエンコーダーを製作。 ARCP-590や次項のRCC-590を立ち上げなくても細かな周波数変更が可能。 (ICOMの場合のRC-28と概略同じもの) ・RCC-590(自作ソフト)はコンテストの時などに使用。 この自作ソフトでは、手元リグ(TS590シリーズ)操作が送信所リグ(TS590シリーズ) に自動的に同期して動作し遠隔操作できる。 例えば手回しのVFOのダイアル操作など。
f アンテナの回転 ・a項と同じIPリモコンの出力で指示している。左回転と右回転、計2出力。 ローテーターはCD社製。コントローラー内部を開けて手動CW/CCWから線を引 き出している。 ・操作をまちがって左右の回転指示を同時に出してもコントローラーに影響がないよう に、IPリモコンとコントローラーの間にリレーを使った制御回路を入れている。 (JR2BJEさんの事例(参考資料1)に従った)
g アンテナ回転角度の監視 ・ローテーター表示パネルを動画撮影し、操作所のPC画面で監視している。 送信所PCのデスクトップに動画を表示し、リモートデスクトップソフトで操作所PC に表示し監視。 2018年8月以前はSkypeの動画表示機能で監視していた。
h アンテナ同軸ケーブルの切替 ・トランシーバーから出ている周波数データを監視しアンテナを自動的にリレーで切り 替える機器を自作した。ABS(ANT&PW1自動バンド切替機)と呼ぶ。 その心臓部はマイクロコンピュータ(PIC)。 ・ABSとTS−590SとはRS−232Cケーブルで接続。 ・現在1.8メガから28メガまで6本を自動切換えしている。
i ICOM IC-PW1の操作 ・ABSによりTS−590Sに自動追従しバンド切替 ・IPリモコンを使ってPOWER SWのON/OFF(2015/06/11) ・IPリモコンを使ってAMP/PROTECT SWのON/OFF(2015/06/11) ・PW1操作表示パネルを動画撮影し、操作所のPC画面で監視 送信所PCのデスクトップに動画を表示し、リモートデスクトップソフトで操作所PC に表示し監視。 2018年8月以前はSkypeの動画表示機能で監視。
j Yaesu FL-7000の操作 ・IPリモコンを使って電源のON/OFF ・ABSによりTS−590Sに自動追従しバンド切替 ・ABSに590SのRITボタンの状態を認識させることによりAMP機能をON/OFF その後FL-7000は撤去。
k 遠隔操作で運用しているモード ・CW 定形文:ARCP-590およびRCC-590の標準機能で可能。 なお、定形文は操作所でいつでも変更できる。 自由文:パドルを使って送信したいが、短点が動作不安定で道半ば。 その後やっと、使えそうな方法ができた。(2024/03/01) ・SSB 自由文:マイクを使って可能。 定形文:ARCP-590GおよびRCC-590で遠隔再生送信が可能。 ・FT8、JT65、RTTYおよびPSK WSJT-XやJT65-HB9HQX、MMTTY、PSK31SBWを使用。 これらのソフトは原則的には送信所PC上で動作させている。 リグ(裏パネルのACC2)とPCをオーディオケーブルで接続。
操作所PCに「PCマイク切替SW」を設けて迅速に切り替えている。2.実用性評価と運用結果
・ネットでの信号遅延、乱れ、PCでのデジタル処理などによる途切れや音質の低下が心 配であったが、通話品質の低下、CW符号の乱れ、RTTYやPSKのCODE/DECODEの問題を感 じない。 → じっくり比較してみるとデジタル通信のデコードは送信所PCで行った方有利な ことがわかった。(2018/09) ・操作所PCの操作性の方も問題かもしれない。つまり特にWSJT-X、RTTY、PSKなどの運用 時やログへの記入時に、画面上の重なったウインドーのマウスでの選択やアイコンの クリック操作でもたつくことがたまにあり、パイルアップをさばいているDX局の方へ 迷惑をかけていることがあるかもしれない。 できるだけドット数が大きい画面を使ってウインドー同士が重ならないことが望まし い。PCのマルチディスプレイ機能の拡張モードを使うことも良い考え。 ・2018年8月からリモートデスクトップが必須となったので、操作所PCの外付けディス プレイをそのリモートデスクトップ画面専用にしている。 従って、WSJT-X、RTTYなどの操作やログへの記入をリモートデスクトップで行うので それのレスポンスの方が気になる ・送信所と操作所のインターネット通信事業者が同じことが望ましいとの意見がWebに 載っているが、当局は別であるが、気にならない。(欲を言えばきりがない) 両社間のネット接続実体を知ることは不可能。 ・原因は不明だがインターネットが切れることが極々たまにある。めったに起こらない が交信相手には−−遠隔操作でなくても発生しうる−−リグや設備のトラブルと理解 してもらうしかない。 幸いこんなことが交信中に起こることは年に1回もない。 ・送信しっぱなしになるトラブルは経験したことがない。(^-^) ☆2年間の運用結果の詳細は遠隔操作の実績と評価を参照してください。3.遠隔操作系統図(ブロックダイアグラム)
遠隔操作全体系統図がこれ。 自作した機器に薄青色を塗ってある。 (色で示してないが、ローテーター操作部と送信所PC電源スイッチから半田付けで線を引き出している) 上記全体系統図は次の三つの系で構成されてるので各系毎に示す。 ・リグ操作とアンテナ切替系 ・ローテーター操作系 ・電源操作系4.主要コンポーネントの説明
a KENWOOD製遠隔操作ソフト ARHP-590G ARCP-590G
・ARHP-590 送信所PCで動かすサーバーソフト ・ARCP-590 操作所PCで動かすクライアントソフト これらは無償で使用できる。(詳しくは参考資料2を参照)b 自作 リグ間自動同期遠隔操作ソフト RCC-590
手元リグ(操作所リグ)を操作するとその動きが送信所リグに伝わるカラクリで、遠隔操作す るソフトです。 詳しくはリグ間自動同期遠隔操作システム RCC-590 を見てください。 日常の運用ではKENWOOD製ソフト ARCP-590G を使用していますが、 RCC-590はコンテスト時などには便利です。 無償ソフトとして提供しています。興味がある方は使ってください。c 自作 リモートエンコーダー
操作所での手動VFOを実現した。詳しい説明は別ページに記載。 開発目的 操作所で、手回しのVFOダイアル操作を行いたい場合がある。 (RTTYやCW、SSBのように細かな周波数調整やFT8で事前設定されていない周波数へ素早くQSYしたい場合) このために自作のRCC-540があるがKENWOOD製ARCP-590と同時には立ち上げられない。 これはARCP-590と同時に立ち上げておくことができ、ARCP-590にVFOを付加した感覚で使用できる。 さらに、ARCP-590を立ち上げてなくてもリモートエンコーダーだけでも動作する。d IPリモコン
秋月から売られているトライステート社製「新PIC-NICキット」を使用。 特徴は次のとおり。 ・ルーターとEthernet(有線LAN)で接続し遠隔操作ができる。 (操作所のソフトは一般のブラウザー) ・ポート16chの出力と8chの入力。 ・ポートのタイトルを簡単に変更できる。 ・自分でプログラミングが可能。自分好みの画面を作れるが当局では既定のまま使っている。 ・低価格も特徴だが、ケースが無く基板むき出し。 IP Power9212Delux(2014夏から8ヶ月ほど使用、不調で撤去)に有ってPIC-NICに無い機能。 ・リレー駆動用ドライバーがない ・On後にOffに戻るまでの時間を指定できないことが不便というか心配。これはPCの電源制御 にぜひ欲しい機能であり、PCの電源SWをONにしたあと1秒ほどでOFFにしたい。 ONのあと何かの不都合でOFFにならなかったらPCは壊れてしまうのか? プログラムを改造すれば実現できるだろう。 → 別の方法(e項 PC電源ON/OFFの操作ミス対策)で実現した。 新PIC-NICはキットである。組み立ては簡単で2時間で組み上がった。 リレー駆動用のドライバーが必要でありこれも半日で製作した。 ドライバーにフォトカプラー(TOSHIBA TLP627)を使用すること、PCのUSB5Vの伝達にリレーを 介在させることで、ネットワーク系とPC/無線機系を同相電流やノイズから切り離している。 出来上がりの写真がこれ。e 電源系統とアンテナ回転制御回路
少々複雑。 図内の右上と中央の点線で囲った PC電源制御アンテナ回転制御回路 と PC-PWR-SW UNIT はユニバーサル基板に組んである。f PC電源ON/OFFの操作ミス対策とPCの遠隔強制再立上げ
IPリモコンでPC電源SWをON/OFFする方法で2年ちょっと運用してきたが、先月(2016/09)、 「リモコンでONにしたあとOFFに操作すること」をうっかり忘れてしまい5分ほど放置してし まった。PC電源ボタンを5分間押したままにしてしまったのだ。 そうしたらWindowsが使えなくなった。(ONで電源が入り、OFFで直ちに電源が切れてしまい、 Windowsが立ち上がってもOFFで強制的電源断になる!) 遠隔操作では回復できない。 PCが壊れていないことを祈りながら送信所へ行き、PCの電源コードを挿しなおしたら復旧で きた。(DELL OPTIPLEX 780 スモールフォームファクタ) これに懲りて、PC電源遠隔操作の考え方を次の観点で改良した。 1 IPリモコン操作でPC電源の実スイッチがON後、自動的に1秒でOFFになること。 2 PC立上げ失敗などのPC単独トラブル時にPC電源SWを入れなおせること。 3 運用中に万一PCがストール(フリーズ)してもPC電源SWを操作して強制終了させ、 再立上げできること。(運用中PCストールの経験はないが万一発生した場合の対策) 従来の仕様では、IPリモコンの遠隔SWがPC電源SW操作とローテータ回転操作を兼 ねており、リグに電源が入っていないとPC電源SW操作、入っていると回転操作 に自動的に切り替わった。これは運用中に間違ってPC電源を切ってしまわない防 護設計である。 逆に言うとリグに電源が入っていると絶対にPC電源を切れない。 <PC動作→DC電源装置とリグなどへの自動電源投入→PC電源SW触れない> 4 リグが何らかの理由で送信しっぱなしになった場合でも、PCを強制終了または リグの強制的電源断ができること。 100V/200V系の元電源をPCとリレーを介して連動させてあるので、 <PC停止→DC電源装置とリニアなどの自動電源断> (ルーターなどネットワーク系は別系統にしてあり、PCと連動しない) 改良後の仕様は次のとおり。 1 PC電源SW操作とローテータ回転操作をIPリモコンの別ポートにする。 2 運用中(リグに電源が入っている場合)はPC電源SW操作を無効にする。 3 PC電源SWが押されている時間を自動的に1秒にする。 (指示が1秒未満の場合はその時間とする) 4 自動的に1秒にするか、操作者に任せるかを遠隔操作で切り替えられること。 5 操作者に任せる場合、運用中(リグに電源が入っている場合)でもPC電源SW操作が可 能であること。 これにより、通常運用中の不注意によるPC電源SW操作の誤操作を防止でき、非常時には PC電源SWの短押し(PCシャットダウン)または長押し(PC強制終了)を使い分けられる。 この仕様を実現するために、既存の『PC電源制御アンテナ回転制御回路』のPC電源制御部分を 改造するとともに、『PC-PWR-SW UNIT』 を作成した。 改造後の回路は d項 電源系統とアンテナ回転制御回路 に記載の回路図が最新内容。 (右上の点線枠の中) PC-PWR-SW UNIT の回路図は次のとおり。 このUNITの基本的役割は前記仕様の 3 PC電源SWが押されている時間を自動的に1秒にす ることである。その他の仕様はPC電源制御アンテナ回転制御回路と本UNITのハードウェア ロジックで実現している。 PICのソースプログラムを公開します。本プログラムの役割は『PC電源SWが押されている 時間を自動的に1秒にすること』です。 C言語ソースプログラム LCDドライバー ヘッダーファイル プログラミング留意点。 開発環境 MPLAB X IDE v3.05 XC8 C Compiler V1.34 OFFまでの時間は次の定数で指定 unsigned int sw1stay_time = 4; // Power-SW通電時間(割込み回数)を指定 割込み間隔は0.25S 従って上記の4で1秒。 ワッチドッグタイマーを使用 動作開始はプログラムで指定(#pragma config ではない) ブラウンアウトリセット機能を使用 #pragma config BOREN = ON インサーキットプログラミングが可能 次の右側写真の6ピンヘッダーにPICkitを挿す 次の左の写真はPC電源制御アンテナ回転制御回路の基板。(d項 回路図の右上) 右の写真は PC-PWR-SW UNIT で、PC電源制御アンテナ回転制御回路のユニバーサル基板の 2階に実装している。14ピンのピンヘッダー/ピンソケットで保持し電気的にも接続。 生存表示のLEDは3秒ごとに点灯し、正常に動作していることを表示している。LEDへの線 はピンソケットで出してあり、延長して任意の場所にLEDを置ける。 次の図はPIC-NICの操作を行う画面。I.E.の画面である。 Port最上行 PC POWER IND[In] の 674 は送信所のPCの電源が入っていることを示している。 電源OFFだと 0 。 各行の役割はPortの見出しのとおり。 最下行 PC PWR SW LONG [Out] が、PC電源SWが押されている時間を ・1秒で自動的にOFFにする ・操作者に任せる を切り替えるスイッチ。 RE5とRE6は未使用。g ABS(ANT&PW1自動バンド切替機)
TS-590シリーズのRS-232C端子から出ている信号(CATコマンド、KENWOODはPCコマンドと名 付けている)を受信してバンド情報を読み取り、 ・同軸ケーブル切換リレーを駆動 ・IC-PW1のバンドを自動的に切換える 機器である。 詳細はABS ver7 の開発を参照のこと。h アンテナケーブル切換リレーボックス
次の写真はリレーボックスの内部。主要部品は次のとおり。2016年6月に製作。 屋外用配電箱 :日東工業 P16-235A リレー :OMRON LY2 接点AC250V 10A 耐電圧AC2000V 操作コイルDC12V 75mA リレーソケット:OMRON PTF08A ダイオード :1N4004(駆動コイルオフ時のサージ防止) このボックスは2代目。1代目ボックスの素材がポリプロピレン製なので太陽の直射で2年 で劣化しひび割れし使用中止した。 2代目での改良点は次のとおり。 屋外配電箱を使用し対候性向上(素材がABSで遮光性)。 1代目はポリプロピレン製半透明の家庭用密閉容器。 リレーソケットを使用し保守性向上(リレーの点検と交換)。 各バンドともリレーと同軸接栓間を最短で接続でき、各バンドのSWR改善に期待。 → 実測結果 28メガ:0.5ほど改善 他バンド:0.05から0.1ほど悪化 いずれも天候やアンテナ回転方向で変わるレベル、気にする必要なし。 同軸接栓間隔が狭くなり、同軸プラグを粘着テープで覆うのに苦労。 縦長の箱を採用し、風雨の浸入の防止、密閉せず空気の流れを確保し湿気の排出に期待。 下に見える大きなトロイダルコアは FT240-43。同相電流による悪さが大きい7MHzバンド の同軸を巻いてある。ちょうどボックスの中に格納できて好都合。1代目のときは箱の 外でした。 ・次の点は1代目と同様です。 動作していない同軸ケーブルの芯線外皮は、ともにアースに接続。(避雷効果) 動作している同軸ケーブルの外皮は、他のケーブルやアースと接続しない。(SWR改善や スプリアス防止効果) 全て新品の部品を使用して製作。 リレーボックスはタワーの鉄骨枠内部の地上高4mに設置。 従って、外部から室内に引き込んでいるのは同軸1本とリレー用多芯ケーブル1本、ロー テーター用多芯ケーブル、接地線の計4本。 ・2024年1月 左から三つ目のリレーが故障し、新品に差し替えて交換。7年半働いてくれました。 ソケットに挿し込む構造にしておいたので簡単に交換でき良かった。 調べてみると、コイルに電圧をかけるとバネは動くけれど a接点(写真の下側の接点) に通電しません。 写真で分かるように、接点のバネが b接点(写真の上側の接点) 側に曲がっています。 発熱でバネが変形したと推定。白い線にも熱が来てケースを溶かしています。 発熱の原因はこれに接続していたアンテナは他よりSWRが高い状態で FT8の700W で何十回も 呼んでいたからでしょう! このアンテナの場合は500W以下にします。700Wは休み休みで!i IC-PW1 スイッチ遠隔操作
PW1の操作/表示部の次のスイッチを操作可能。 ・IPリモコンを使ってPOWER SWのON/OFF ・IPリモコンを使ってAMP/PROTECT SWのON/OFF 詳細はIC−PW1の遠隔操作を参照のこと。j FL-7000の遠隔操作
(2017/01記入)FL-7000を撤去しました。理由はPW1が安定に稼働しておりFL-7000を 予備機として持っておく必要がなくなったから。 遠隔操作のための改造内容は保存書庫に入れておきます。k 遠隔操作でのパドルによるCW送信
CW送信において登録済みの定形文だけでは何かと不便であり、パドルでのCW送信を実現 したい。 遠隔運用を初めて間がない2014年ごろから色々な方法を試してきたが満足できなかったが、やっと 2024年2月に実務に使える方法ができたので、別ページに記した。(2024/03/01)ここまでで述べた遠隔操作の心臓部の三つの基板の写真がこれ。
一つのプラスチックケースの中に左から ・CW-VOX基板--これはもう使ってない。 ・ABS(ANT&PW1自動バンド切替機)基板 ・PC電源制御アンテナ回転制御回路とその2階にあるPC-PWR-SW UNIT を格納し、ケースフロントにロータリーSWと表示LEDを取り付けている。l 操作所 PCマイク切替SW(旧 RTTY等運用のための操作所PCインターフェース付加装置)
操作所PCへ入力する信号(マイクとパドルによるCW信号)をSWで切り替えていたのを止め て、「PCのマイクジャックの差し替え」に単純化しました。 ヘッドホンも直接PCに挿すようにしました。(2020/06) 理由は機器を無くして簡素化です。m オーディオ伝送ソフト
送信所と操作所との間のオーディオ信号を何のツールを使って伝送するか! 2018年8月からデジタル通信ソフトを送信所PCで動作させることになったので、リモートデス クトップツールとも合わせて選択することが必要になった。 リモートデスクトップツールとオーディオ伝送ソフトの特徴をまとめてみた。 (私が経験した範囲。いずれも無償ツール。)
Brynhildr | ARVP | TeamViewer | Skype | |
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リモートデスクトップ機能 画質設定 |
有 可能 5段階 |
無 |
有 不可 |
無 不可 |
オーディオ伝送機能 音質設定 |
下り 可能 5段階 |
上り下り 不可 |
上り下り 不可 |
上り下り 不可 |