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KENWOODの遠隔運用で手元のVFOでスプリットのSSB/CW/RTTYも楽々
<リモートVFOシステム:手元のエンコーダーで遠隔VFO操作>
☆自作派の方へプログラムを提供☆
Ver.2.3 '24/03/11
Ver.2.2 '24/02/19
Ver.2.1 '24/02/14
Ver.2.0 '24/02/11
Ver.1.4 '24/01/28
Ver.1.1 '23/01/07
Ver.1.0 '22/12/19
All rights reserved JA3OOK 中村 利和
スプリット運用するばあいVFOを頻繁に回すことは必須で当たり前なこと。しかし、KENWOODでの
遠隔運用ではできなくて不自由でした。
それができます。安定して動いています。(VFOを回すことはICOMの場合のRC-28と概略同じ)
実行型式プログラムとソースコードを提供します。
マイコンへの書き込みにAndroidの開発環境が必要なので壁があるかもしれませんが、挑戦してみてく
ださい。
Windows PC用のソフトは実行型式ファイルなので解凍してコピーペーストするだけです。
現時点は TS-590 と TS-590G に対応しています。KENWOODの他の機種への対応も希望があれば検討
します。
質問などは
aja3ook@gaia.eonet.ne.jp へメールをください。(先頭の「a」を取り除いて6文字にしてください)
お知らせ
「ロータリーエンコーダー単体 + REVIVE USB Micro の方法」を '24/02/14 に紹介して
いましたが、JTDX、WSJT-X、Excel Wordなどがアクティブウィンドウになっていると意図
しない文字が入力される不具合が判明しましたので、その方法を削除しました。('24/03/10)
1.リモートVFOシステムの構成
図1 リモートVFOシステム構成図
普通の遠隔操作による無線局の構成に、図のように次の物を追加します。
操作所
a) ロータリーエンコーダー単体
TRXから取り外した部品、新品の入手は難しいかも。
FT-726のエンコーダをヤフオクで入手しました。元々VFO用なので操作性が良く快適です。
(手持ちのアルプス電気製のロータリーエンコーダ(ノンクリックタイプ)EC12E2430803 で試作したが、
回転が重くて使いづらいです)
b) Wi-Fiマイコン
ESP32-DevKitC ESP-WROOM-32開発ボード を購入し、リモートVFO用ソフト(スケッチ)は自作しました。
写真1 左側 Wi-Fiマイコン 右側 ロータリーエンコーダー単体(FT-726のVFOのエンコーダ)
TRX内蔵のVFOを使用するのと同じ感覚でVFOを回せ、DXハンティングできます。
つまり、DXハンティング時に、ARCPの TF-SET や A/B によるVFOの切換えに追随して該当VFOの周波数
を変更できる。したがって、
スプリット運用時に、DXに応答している局を見つけること、空いている周波数を探すことが比較的
楽になりました。
送信所
c) リモートVFO送信所ソフト
送信所PCで動作させます。
図2 リモートVFO送信所ソフトのメイン画面
・TRX(TS-590やTS-590G)のVFO-A、VFO-Bの周波数を常に把握し表示します。
・RemoteEncoderからのアップダウン指示を、Quick素早く、Norm普通、Fine微細 から選べます。
・画面のVFO周波数の桁でクリックすればTRXのVFOの周波数をアップダウンできます。
(VFO周波数の桁でのクリック操作はARCPと同じ)
・スプリット運用での TF-SET や VFO A/B の切換え操作をあせって、受信周波数を動かしてしまう
操作ミスを防止するために F.Loc 機能があります。チェックすることで周波数を動かせません。
・DATA VOX のON/OFFを行えます。(MMTTYの送受の切換えは DATA VOX で実施)
・クリックやチェックマーク操作は遠隔操作ですからリモートデスクトップで行います。
補足
・ARCPを使って遠隔運用している場合も、ARCPを使わないで遠隔運用している場合も使用できます。
・本ソフトはリモートKeyでも使用します。画面の上はその場合に使用します。
・リモートVFOとリモートKeyは同時に使用することが可能、送信所ソフトの立ち上げは一つだけです。
d) VSPE
遠隔運用で各種ソフトでTRXの周波数を共用するばあいに普通は必要になるソフトです。
既に使用されているかも。
有償/無償のソフトでWebから入手します。
TRXに繋いだUSBポートをPC内部で分岐させるのに必要です。
VSPEの詳しい使用方法はここを見てください。
3.ソフトのインストール、設定、アンインストール
【注意、確認事項】
・本記事や本ソフトによる不具合や故障などが生じても私は責任を負えません。
自己責任でお願いします。
質問は
aja3ook@gaia.eonet.ne.jp へメールをください。(先頭の「a」を取り除いて6文字にしてください)
Wi-Fiマイコン用スケッチ(ソースコード)
【ダウンロード】
最新 RemoteVfoESP32.zipファイル 2024/03/11
RemoteVfoESP32フォルダー内に次の二つのソースコード(.inoファイル)が入っています。
・リモートVFO用ソフト
・ネットワーク接続パラメーターセッティングツール
セッティングツール は Wi-FiのSSIDやpassword、通信相手のインターネットアドレス、ポート番号を
スケッチの変更なしで設定できるツールのソースコードです。
【インストール】
a ダウンロードしたZIPファイルを解凍。(zipファイル → 右クリック → 開く)
b ”Arduino IDE”と ”esp32 by Espressif Systems”を構築します。構築方法はWebに色々載っています。
例えば参考資料の3,4を参照。
私の開発環境は Arduino IDE 1.8.19 + esp32 by Espressif System バージョン 1.0.4
c 前項でダウンロードしたソースコード(.inoファイル)を二つともフォルダーごと、構築したIDEに
入れてコンパイルします。
d コンパイルに成功したら ESP32-DevKitC ESP-WROOM-32開発ボード に書き込みます。
開発ボードへの電源供給は開発中と設定中はUSBからです(外部電源の供給は運用に入ってから)
参考 バイナリーファイルの提供は止めます。
バイナリーファイルをターゲットに書き込むことがとっても面倒なのです。
(入手したソースコードをコンパイルしターゲットに書き込むことを一連の流れで行うことは簡単にできます。
開発環境の構築が必要で少しハードルが高いですが可能です)
【設定】
Wi-Fiマイコンへ設定が必要な項目があります。
設定方法 ESP32-WROOM-32 ネットワーク接続パラメーター セッティングツール これの
3.操作方法 に、ハードの settingPin のことも含め、詳しく書かれています。
その e項 に従って次の項目を設定する。
myplace=client ← 左記のとおりのまま
myssid=abcdefgh ← 操作所の無線LANルーターのssid
mypw=xxxxxxxxxx ← 操作所の無線LANルーターのパスワード
myipaddr=192.168.0.40 ← Wi-Fiマイコンに割り当て希望のローカルIPv4アドレス(注)
(注) 操作所のルーターのサービス範囲内で重複しないローカルIPv4アドレスを検討し決めておく。
myipaddr=で指定したIPアドレスがこのマイコンへ固定的に割り当てられる。
hisnetname=xxxyy.iobb.net ← 送信所のインターネットアドレス
hisport=ppppp ← 後で説明する送信所ソフトの設定画面のポート番号(ppppp)
入力方法の例:
>myssid=abcdefgh
accepted, must save after
>mypw=xxxxxxxxxx
accepted, must save after
と入力していき、最後に
>save
updated /internet.ini
>list で設定結果が正しいかを確認
以下は、通常は既定値でOK、変更不要のはず。
mydns=192.168.0.1 ← 操作所PCのDNSアドレス
mygateway=192.168.0.1 ← 操作所PCのゲートウェイアドレス
mysubnet=255.255.255.0 ← 操作所PCのサブネットマスク
【回路図】
エンコーダとの配線は3本。接続によって回転方向が変わるので仮止めして実験してください。
DC5Vの電源は0.5A以上(またはそれ以上)が必要のようです。電源容量が少ないと動作不安定かも。
LEDはなくてもかまわない、電源投入時に点灯。
図3 ESP32-DevKitC ESP-WROOM-32開発ボードを利用した回路図
リモートVFO送信所ソフト
【次の環境で動作確認済み】
送信所
Core i5-4150M 3.50GHz 8GB SSD Windows 10 Pro 22H2 (64ビットOS)
ネット 光ケーブル 300Mbit
【ダウンロード】
最新 remoteKey.zipファイル 2024/03/11
(リモートKey用と同じもの)
【インストール】
a ダウンロード後、ZIPファイルを解凍。(zipファイル → 右クリック → 開く)
b 解凍でできた remoteKeyフォルダー をコピーし、送信所PCの自分好みの場所にペースト。
(私は ドキュメントフォルダー内 に入れている)
バージョンアップの場合は
exeファイルを上書きしてください。
c デスクトップやスタートに
・送信所ソフトは RemoteKeyVfoTxSide.exe なので、これを起動するショートカットを作る。
・この exe はリモートKeyでも使用します。
リモートVFOとリモートKeyは同時に使用することが可能、送信所ソフトの立ち上げは一つだけです。
d 補足 .NET Framework 4.6を使用している。
(特別の準備なくても起動できると思いますが、手動インストールが必要になるかもしれません)
【アンインストール】
上記b、cで作ったフォルダーやショートカットを削除するだけ。
【設定】
メイン画面の Tools → Setting で 次の設定画面を開く。
送信所ソフト設定画面。
・この送信所ソフトに割り当てるポート番号を参考資料6などであらかじめ検討し決めておき、
それをPort(ppppp)に指定。
・TRXのところにリグの機種名、COMt、COMt speed を設定。
・リモートKeyを行なわない場合は「使用せず」を選択、行う場合は、COMjに送信機のキージャックに
繋いだUSBのCOM番号を指定。。
・AutoConnectにチェックしておくと、次回立ち上げ時に自動コネクト。
・送信所ルーターに、この送信所ソフトに割り当てるPort(ppppp)の開放を設定する(UDP、TCP両方)。
【運用】
設定が終われば、3.項のメイン画面で運用する。
<最初に「Con」ボタンで各USBをOpen>
その他留意事項
・送信所ルーターにポート開放の設定が必要です。
・VSPEの使用を推薦
送信所TRXの周波数などを送信所PCの ARCP、JTDX、Hamlog、本リモートVFOソフトで連携できます。
それはTRXからのUSBポートをPC内部でVSPEを使用して分岐させることで実現できます。
VSPEの使用方法はVSPEでARHP、JTDX、TurboHAMLOGでのCOMポート共用 をみてください。そのページ
の図1や図2の COM13(予備ポート)に 本リモートVFOソフト をつないでいます。
[謝辞および参考資料]
本ソフトの開発に特に役立った資料を最後に列挙しました。この他にも役立った記事が色々ありました。
各著者に感謝します。
1 DOBON! DOBON.NET へようこそ!
2 アルプスアルパイン株式会社 Encoders 12型絶縁軸タイプ EC12E2430803
3 サヌキテックネット Arduino IDEのインストールと起動確認
4 著者名不明 ESP-32(ESP32-DevKitC)を使ってみる -導入からWiFi、Bluetoothまで-
5 Eric Young and the OpenSSL Project VSPE Virtual Serial Ports Emulator
6 エンジニアの入り口 3分で把握】ポート番号とは?と代表的なポート番号まとめ
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