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ABS(第三世代)の開発
TS-590SからPW-1バンド自動切替の安定稼動 Ver.3.1 '15/04/06
自動バンド切換器 Ver.3.0 '15/02/16
アンテナとリニアアンプのバンドを自動的に切り替える機器(ABS)第三世代の紹介です。
ABSをバージョンアップしました。新しいABSはこちらを見てください。('17/06/19)
ABS開発の経緯についてはここ、当局の無線局遠隔操作の全体像についてはここを参照してくだ
さい。
All rights reserved JA3OOK 中村 利和
1.ABS(自動バンド切替機)でできること
TS−590Sを操作することにより
・バンドに対応したアンテナの自動切換(6系統)
・FL−7000の
バンド自動切換
AMP(OPERATE SW)のON/OFF(TS−590Sの RIT SW で可能)
電源ON/OFFはABSとは別の方法で可能で、FL-7000の遠隔操作の全体につい
てはここに記述してある。
・IC−PW1の
バンド自動切換え
★バンド自動切換えが安定しない。
つまり、電源投入後のCI-Vの同期がとれないことがある。調査中。
→ 調査結果と対策は5項参照
PW1の電源ON/OFF、AMPのON/OFFは未実現=今後の課題
→ 実現(2015/06) その方法は別に記載した。
従って、現時点での遠隔操作でのリニア運用はFL−7000のみ。
→ IC−PW1も POWER SW なども含めて遠隔操作できるようになった。(2015/06)
2.ABS全体像
・構成
TS-590S−−RS232C−−ABS(PIC)−−アンテナ切換リレー
/|
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CI-V / |BAND DATA および OPERATEのリレー制御
/ |
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PW1 FL-7000
・ABSはTS−590からRS-232C経由でバンド情報などを得る。
・ABSはバンド情報に応じて アンテナ切換リレーをON/OFFし、CI-V と BAND DATA を出力
する。
RIT情報に応じてOPERATEを制御するリレーをON/OFFする。
3.ABSのハードウエア回路図(2015/06 外部LEDに表示するためにマイナーな更新あり)
回路図についての補足説明。
・非同期通信を行う相手がTS-590SとPW-1の二つになるので、USARTを二つ装備しているMCU
として「PIC18F25K22」を採用した。
・アンテナ切替リレーのドライバーにはトランジスタアレイを採用した。
今のところ問題ないが、これから製作される方はフォトカプラ(TLP627-4など)の使用を
推薦する。
・ABSへの電源はTS-590本体裏面のATコネクターから供給している。TS-590の電源を入れて
いなくても手動でアンテナを切り替えられるようにロータリーSWを入れてある。
アンテナリレードライバーユニットの電源はTS-590の外付けDC電源装置から供給。
・電波出力が大きくなるので高周波対策に力を入れた。
高周波が進入して来そうな個所にはLとCを入れた。PW-1やCT-17に施されている対策を
参考にしている。
回路図の太く黒い線は文字通り太い線での配線を意味している。同軸の外皮を使った。
☆この二つの対策で効果が出たようで、従来は本来点灯するはずのないLED(ドライ
バーユニットの各リレーの駆動コイルにつながっているLED)が点灯する場合があ
ったが、全く点灯しなくなった。
・OPERATEとBAND DATTAをポートRC4、RC0〜RC3に出している。
・RA0〜RA5にLCDへの表示データを出している。開発機はLCDを接続しているが本番運用機で
は接続していない。理由はかさばるためで、本番時での必要性は感じない。
・CI-V出力にUSARTを利用している。TS-590SにもUSARTを使用しているので二つのUSARTを
持つPICが必要であった。
・内部発振で周波数は16MHz。64MHzは使用していないが問題ない。
・MCLR(1ピン)によるリセットを可能にした。そのために33kΩでHighに吊っている。
・5項による改造(RX2:28ピンから出ている配線の追加)は反映済み
・2015/06 外部LEDに表示するためにマイナーな更新
OPERATE端子( PIC RC4につながる端子)につながる外部表示LEDとは、PW1のコントロー
ラー部の下に取り付けたLEDのことであり、PW1の POWER SW など遠隔操作が可能になり
集中的に表示するために必要になった。100μHと0.01はハイバンドで高周波回り込みが
あるのでそれの防止のため。
4.ABSプログラムの要点。
・KENWOODとの通信はRS-232C、USART1と接続している。
通信の順序は
ABSから問いかけ(IFコマンド) → KENWOODが応答(IF情報)
であり、ABSからの問いかけのタイミングは1秒程度とし、MCUの割込機能を利用して
いる。
TS−590が出す情報の意味と約束事はKENWOOD発行の「参考資料5 TS-590_pc_
command_j.pdf」に書かれている。
・KENWOODからの返答を一文字ごと解析し、IF情報を読み解く。
・読み解いた周波数に基づき、
a アンテナリレー用に該当するポートをON、他をOFF
b BAND DATAに対応する該当ポートRC0〜RC03をON/OFF
バンド周波数とA,B,C,Dの対応はFL-7000の遠隔操作に記述してある。
c 周波数データを組み立てUSART2でCI-Vへ送信(機種コード付き)
CI-Vデータの構成は「参考資料3 CT-17 取扱説明書」に基づき構成した。
・IF情報の中のRITデータに従ってポートRC4をON/OFFする。
・プログラミング技巧の要点は処理速度優先、メモリー使用量は多くてもよしとする。
5.TS-590SからPW-1バンド自動切替の安定稼動
・バンド自動切換えが安定しない問題があった。
つまり、電源投入後に不具合が再発し自動切換えができないことが多い。しかし、電源投入
をやり直したりINPUT1/2を切替ると直ることがあり、一旦可能になるとその後は安定して自
動的に切り替わる。
・PW1の電源投入やINPUT1/2切替のあとにPW1からCI-Vに何かのコマンドが出ているのではない
かと推理し、それを観測した。その方法は、
PW1-----CI-V-----CT-17(相当品)-----USB-----PC(Tera Termで16進表示)で観測
そうしたら、
PW1から「CI-Vの03コマンド」が送信先と送信元の機種コード付きで15秒間
出ていた。(おそらく自動通信速度合わせプロトコルと推定)
・そこでCI-VをABSで受信できるようHWを改造。(USART2の受信ポートまで配線を一本追加)
03コマンドを受信したら周波数付きの03コマンドをPW1へ返すようプログラムを追加。
・これで安定して自動バンド切り替えできるようになった。
もちろんPW1のマニュアルに従ってPW1のRESETおよびCI-Vのデータ設定を行っておく必要が
ある。
および、ACCの7番ピンへのDC投入後15秒以内にABSがCI-Vを受信可能状態になる必要があ
る。
(先に590とABSを立ち上げておくのも良い方法だが、当局は電源系統も含めて遠隔操作シス
テムに組み込んでありPW1が先に電源投入されるシーケンスになっている。今後改造する
かもしれない)
このセンテンスの訂正と追記(2015/06/30)
および、PW1の POWER SW 押し下げ後15秒以内にABSがCI-Vを受信できる状態になる必要が
ある。
ACCの7番ピンへのDC投入方式の場合はさらに短い時間であることが実験で確認できたの
で、ABS電源投入後1秒後にはABSがCI-Vを受信できる状態になるようにPICのプログラムを
見直した。
当局はACCの7番ピンへのDC投入方式で運用したいので、ACCの7番ピンとABSへのDC投入
タイミングを同時とした。即ち、TS-590SのAT端子DC出力からACCの7番ピンとABSSへ供給。
ワッチはこの状態でおこない、AMP/PROTECT ON にして送信する。
ACCの7番ピンへのDC投入方式とは
:PW1を POWER ON しておかなくてもアンテナセレクターを動作させることができる機能。
参考資料
1 KENWOOD TS-590 取扱説明書
2 KENWOOD TS-590 PCコマンド集
3 ICOM CT-17 取扱説明書
4 ICOM IC-PW1 取扱説明書
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