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CAT、CI−V モニター の開発              JA3OOK 中村 利和                                    Ver.1.0 '17/08/25  CAT や CI−V をモニターし液晶に表示する機器を作りました。                           All rights reserved JA3OOK 中村 利和   1.特徴と仕様   ・PICとLCDと乾電池で構成。     単三乾電池3本を使用し、3.6V程度でも使用可能。小型でもありシャックのどこででも     使用できる。   ・CATモニター と CI−Vモニターの切替はスライドスイッチで行う。      (電源の再投入は必要)     CAT  ;まで、または先頭から26バイトまでをモニター     CI-V 0xFEから0xFDまで、または13バイトまでをモニター   ・受信したコマンドには時刻マーキングを付けてLCDに表示し、同時に一時メモリーに記憶する。     時刻マーキングとは本モニターの起動開始からの秒数(0.1秒きざみ)であって、     最長 999.9秒まで表示し、超えると 000.0秒に戻りカウントされる。     スリーピング中は秒数カウンターはアップされない。   ・プログラムは二つのモードで動作し、両モードは赤ボタンの長押しで切り替える。      Monitorモード(モニターし一時メモリーに記憶するモード)      Replayモード(記憶されたコマンドをLCDに繰り返し表示できるモード)   ・記憶されたコマンドはReplayモードにおいて、白ボタンと赤ボタンで、時刻順および逆時刻    順に表示できる   ・記憶できる件数は 26件。(使用したPIC16F1619の場合、 Data SRAM 容量が1024 Byte)     記憶できる件数を超えると古いものから順に消され、常に最新の26件が有効。           記憶されたコマンドは電源を切ると消える。   ・通信速度は9600bps固定。(CAT、CI-Vともに)      必要なら将来変更(選択できるように)する。   ・低消費電力を目指した。     電池で駆動するのでハード・ソフトを工夫して消費電力を極力最小化し、さらに2分間、     操作や通信がないと自動的にCPUをスリープさせLCDも消す。      電池電圧 4.5V において 動作時 1.54mA スリープ時 0.014mA      電池電圧 4.3V において 動作時 1.51mA スリープ時 0.014mA 2.ハードウエア   出来上がりの写真 (スライドスイッチを右にした場合は CI-V Monitor と表示される)   右下の数字は時刻マーキング。      回路図      回路についての補足説明。    ・使用したプリント基盤は知り合いの JR5HEJ/1 高橋正剛さん設計製作の汎用LCD基板です。     無償で提供いただいたものを活用し、基板の配線パターンや部品ホールを極力利用してい     ます。     この汎用基板は18ピン用で、今回使用したPICは20ピンのため、端側の2ピンは使用してい     ません。    ・PIC16F1619-I/P を採用した理由は、      PERIPHERAL PIN SELECT(PPS)機能をもっている。        内臓モジュールの入出力をある程度自由に物理ピンに割り当てる機能で、        今回はUSARTの入力のアサインに利用した。      SIGNAL MEASUREMENT TIMER(SMT)機能をもっている。        信号のパルス幅・エッジ間隔・周波数・デューティサイクル等のカウントを行う        機能で、今回は使わないけれど将来使ってみたい機能。      低電圧から通常電圧まで動作可能範囲が広い。        VDD電圧 2.3〜5.5V      Data SRAM 容量が多いし、ピン数も多い。      上記の性能や機能をもちながら価格が安い。        ・使用する部品はできるだけ少なく、しかし、できるだけ省電力になるよう工夫しています。      PICの internal weak pull-up の利用。        RA5,RA4,RA3,RX(RC4) = 全ての入力ピン。    ・RXピンを1MΩでGNDしている理由。      sleep時にはLEDを消灯したいのでRXピン(RC4)のinternal weak pull-upを止めている。      しかしTR2のコレクターがVDD・GNDどちらにもつながっていないので、わずかだが無視で      きない程度の電流が流れる。このわずかな電流を防ぐために1MΩでGNDしている。      (この抵抗の値を小さくしすぎると動作中の消費電流が増えてしまう)    ・後から知ったことですが、LCDのVDDとVSS間のコンデンサーは10μFをメーカーは推奨して     いる。 4.プログラムの要点   とにかく省電力に留意してプログラミングしている。   ソースプログラムを公開する予定です。しばらくお待ちください。     公開しました。(2017/08/31)     ・CAT_CI-V_monitor_v10・ソースプログラム     ・LCDドライバー・ソースプログラム     ・LCDヘッダーファイル・ソースプログラム    開発環境    MPLAB X IDE v3.40   MPLAB XC8 C Compiler (Free mode) V1.40      省電力のポイントについては別途記載する予定です。     記載しました。(2017/08/29) 5.操作方法と画面   ・測定対象の通信速度は 9600bps   ・正常動作の場合にLEDが点灯。消灯している場合は、スライドスイッチの選択ミスやRS-232C    やCI-Vの結線ミスが考えられる。   ・電池電圧の低下の場合はLCDの文字が薄くなり読みにくくなる。       モニター画面(CATコマンドのモニター例)。 右下の 029 は電源投入からの時刻(nnn秒、本機の電源を入れてからの経過時間) 左の 010.2 はコマンドを受信した時点の時刻(nnn.n秒)
   リプレイ画面(CI-Vコマンドの再生例)。 CI-Vはバイナリデータなので16進で表示する。 左の 035.2 の次の■がこのコマンドに付けられた一連番号。(実際はブリンキングしている) リプレイ画面の場合、右下の時刻は表示されない。
6.謝辞   ・JR5HEJ/1(高橋正剛)さん設計製作の汎用LCD基板を活用することで、配線作業が極めて少なく    なり、とても助かりました。   ・特にUASRTとからんだ省電力やsleep/wake-upのプログラム開発が初めてで試行錯誤が多くな    り、ソースプログラムの新旧比較に「テキスト差分表示ツール」(参考資料6)がとても役    立ちました。   ・CATやCI-Vコマンドの通信試験にはBinary dataの送信が簡単な「Tera Term」(参考資料7)    を利用しました。   ・BinaryファイルをTEXTエディターと同じ操作感覚で編集できる「Stirling」を利用しました。   皆様に感謝いたします。 参考資料 1 JR5HEJ/1(高橋正剛) ご自身設計製作の汎用LCD基板および説明書 2 KENWOOD TS-590 PCコマンド集 3 ICOM CT-17 取扱説明書 4 Microchip PIC16F1615_1619.pdf 5 Microchip PIC16F193x_日本語.pdff 6 のん テキスト差分表示ツール(6.27) 7 T. Teranishi および Tera Team Project Tera Term Version 4.82 8 後藤 和重 Stirling V1.31

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