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望遠交換レンズからデジカメCCDに直接結像  '07.06.06  中村 利和

オリンパスのデジカメ C-2020Z を分解改造し、望遠交換レンズからの光をCCDに直接結像するカメラを作った。
レンズ交換可能なデジタルカメラを自作した様な感じですが、レンズの交換がワンタッチでは出来ないところが残念 な所です。

 ・改造元のデジタルカメラ オリンパス C-2020ZOOM(1999/12購入)の主要仕様
   撮像素子 :1/2インチCCD 211万画素(総画素数)
   記録画素数:1600×1200ピクセル、他
   レンズ  :6.5〜19.5mm F2.0〜2.8(35mmフィルム換算35mm〜105mm)
   シャッター:メカニカルシャッター併用
 ・使用した望遠交換レンズ  オリンパス 35mmフィルムカメラOM用交換レンズ ズイコー 200mm F4

デジカメの表、裏カバーと本体機構部分の分解は2種類のミニ+ドライバーでできました。
一時的に配線を外さないと作業ができない個所がありハンダ作業は必要です。 分解途中で前カバーを外した写真がこれ。


今回の作業目標は内蔵のズームレンズ機構を外してCCDを露出させることですが、メカやセンサーが密度高く複雑に
配置されており、かなり手こずった。
さらにCPUの動作とメカの連携が不明で試行錯誤であった。
 ・ズームレンズ機構を、格納してある筒ごと外して組み立てたが、電源投入しても撮影可能状態にならないことが判明。
  単純に考えていたのでびっくり。
 ・いろいろ実験して見ると、電源投入後に繰り出しレンズ筒が所定の位置に来たことをセンサーが感知し、それをCPU
  が認識して初めて撮影準備が完了することが判明。
 ・さらに調べると、このセンサーは磁気を出す部分とそれを受ける部分で構成されていて、一方はレンズ筒に取り付けら
  れている。
 ・レンズ筒を取り外した上でこのセンサーを「だませる」アイデアが出ず、レンズ筒は取り外さずに内部のレンズだけを
  取り外す作戦に変更。
 ・結局、レンズだけ(レンズとそのレンズを支えてる枠)を取り外して実験してみるとうまく行った。
 ・試写してみると、絞り機構はレンズが無くても必要なことも判明。(シャッタースピードは絞りの閉鎖と開閉で制御し
  ている)
レンズだけ(レンズとそのレンズを支えてる枠)取り外した写真がこれ。

これを見るとレンズ筒の中に、筒の繰り出し、ズーム、ピントのモーター、絞りの電磁シリンダーと運動機構がぎっしり。
改造後に、不要になったモーターもあるかもしれないがどんなセンサーが隠れているか不明なのでそのままにしておいた。
なお、CCDの前に薄緑色のフィルターが装着されていたが、そのまま使っている。
(これを外して撮影して見たら色がおかしい。物理的な保護だけでは無かった)

デジカメ本体と望遠レンズとの結合は次の写真のように、ホームセンターで購入した汎用金具と、水道バンド、
インチ規格のボルトなどで行った。ボディー下部は三脚取り付けネジで、ボディー上部はボルトナットで締め付けて結合
している。
交換レンズとボディーの間にスペーサー(薄いプラスチックを細い幅のドーナツ状に切り複数枚用意)を入れて入念に
ピント調整。




完成した状態。

三脚付属のボルトはインチ規格なのでナットもインチ規格。
接続部にはマジックテープを巻いて光の漏れを防止。

本カメラの倍率は35mmフィルムカメラ50mmレンズ換算で 約22倍=(200/50)×(105/19.5)

撮影結果は次の通り。いずれも1600ピクセル×1200ピクセルの写真をトリミング。
透き通った空気での三日月 撮影日 2007/05/02 19:32


新緑に映える鉄塔(鉄塔までの距離は順に、およそ、0.9Km、4.0Km、4.5Km) 撮影日 2007/06/23


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